VR(Virtual Reality)とは

 VR(Virtual Reality)とは、コンピューターの作り出す仮想の空間を現実のように知覚させることです。本来、バーチャルという言葉の定義は「見掛けや形は現物そのものではないが、本質的あるいは効果として現実であり原物であること」であり、これは同時にVRの定義を与えます。VRを構成する要素として、以下の5つの要素が挙げられます。

              @フォトリアリズム性:写真のようにリアルであるかのような効果
              Aプレゼンス性:あたかも自分が実在するかのような効果
              B対話性:対象者が世界に働きかけることができる効果
              C多感覚性:複数の感覚機能から働きかける効果
              Dシミュレーション性:現実を擬似的に再現する効果

この5つの要素を満たすことで、人間はあたかもコンピューターが作り出す仮想の空間を現実であるように知覚します。

立体視の原理

 人間はある物体を見た時に、図−1のように網膜に2次元の画像が投射され、脳内でその画像を複数の手がかりを元に3次元の立体的な画像に変換することで、物体や空間の3次元性を知覚しています。複数の手がかりは,両眼性手がかり(奥行き手がかり)と単眼性手がかり(絵画的手がかり)の2種類に大別できます。両眼性手がかりとは、生理的手がかりとも呼ばれており、人間が両眼を持つことに起因するものです。一方、単眼性手がかりは、経験的手がかりとも呼ばれており、人間の生理的な特性などに関係なく、経験的に物体の位置や形状情報を把握するものです。表−1に示すように、人間が物体や空間を3次元的に認識する手がかりは多種にわたりますが、その中でもっとも支配的なものの1つが両眼視差です。人間は、ある3次元物体を見たとき、右眼と左眼に異なった像が写っていることにより、奥行き感,距離感を感じ取ることが可能となります。図−1は人間の3次元情報知覚の仕組みを示していますが、図−1中の輻輳角が小さいほど遠くのものを見ていることになり、大きくなるほど近くのものを見ていることになります。図−2は立体視の基本原理を示していますが、2D画像を何らかのディスプレイ表示により、観察者に立体的に知覚させるためには、右眼用と左眼用の2つの視差画像を生成し、それぞれ対応する観察者の眼に分離して提示することが必要となります。