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中央大学理工学部土木工学科計算力学研究室
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バーチャルリアリティ

            VR技術に基づく立体視による可視化


 従来,3次元データの可視化結果は投影変換により紙やPCディスプレイ等の2次元媒体に表示されていたため,表示面に対する奥行き方向の状態がどのようになっているかを正確に把握することが困難であった.これは本来,データがもつ3次元情報を2次表示することで,いわゆる2.5次元的な表示なっていることが原因である.特に,都市の大気環境流れなどは3次元性が顕著な問題の一つであり,数値シミュレーションの結果を可視化により評価する際は,奥行き方向の状態を正確に把握するための可視化手法,つまり3次元情報を3次元的に表示可能な装置および可視化手法が求められる.

 そこで,本研究室では,VR(Virtual Reality)技術に基づく立体視による可視化手法に着目し,高品質な立体映像を得ることができる没入型映像投影技術(IPT : Immersive Projection Technology)に基づく可視化手法の構築を行っている.この技術を用いて,都市・地域の防災・環境シミュレーションの結果を可視化し,快適で安全な都市・地域空間の計画・設計を支援する手法の構築研究を行っている.

     − 大画面立体視を用いた没入型映像投影技術に基づく可視化の利点 −

  • 大型スクリーンであることから高解像度表示が可能であるため,全体を把握しながら,同時に細部も把握することができる.
  • マルチスケールな視点で対象物を観察しながら,構築された人工空間内を自由に動き回ることができる.
  • ヘッドトラッキングシステムにより,観察者の視点に追従した映像を常に投影し続けることができる.(対話性の実現)
  • 液晶シャッター眼鏡を用いたVRシステムであるため,眼鏡を用いた立体視方式の中では最も高品質の立体映像を得ることができる.
  • 複数人の観察者で同時に情報を共有することができる.                            

                 − 可視化へのVR技術の適用事例 −

■都市の大気環境シミュレーションへの適用

 本研究室では,CAD/GISデータを用いた三次元都市モデリング手法およびシミュレーション手法の構築を行っており,これらの技術を用いて実際の都市域を対象とした数値シミュレーションを行い,その評価を行っている.

 図1-aおよび図2-aはそれぞれ西新宿周辺の大気環境シミュレーション結果をPCディスプレイに可視化表示したものである.図1-aは大気流れシミュレーションの結果であり,ある時刻における流線を可視化したものである.また,図2-aは物質の移流・拡散シミュレーションの結果であり,いくつかの物質濃度の等値面を可視化したものである.これらの図より,都市の大気流れの全体的な挙動は把握できるが,都市の空間性や流れの3次元的構造を正確に把握することは困難である.

 一方,図1-b,図2-bはVR技術に基づく立体視による可視化を行い,観察者が都市空間に没入し,大気環境シミュレーションの結果を観察している様子である.観察者は,立体的に対象物を見ることが可能であるため,流れの奥行き方向の状態を正確に把握することができる.これにより都市の大気流れ問題の3次元的構造を正確に把握することが可能である.

(没入型立体視装置での可視化表示)
図1-b
図2-b
図1-a
図2-a

都市における洪水氾濫時の避難行動シミュレーションへの適用

 本研究室では,都市の洪水氾濫シミュレーション手法および洪水氾濫時の避難行動シミュレーションシステムを構築し,実際の都市域に対して仮想的な災害避難シミュレーションを行っている.図3はその結果をVR空間において観察している様子であるが,ビデオアバターにより表現された避難者が洪水流により浸水している様子が実スケールで確認できる.また同時に観察者自身も避難者になることも可能である.このように,VR技術を導入することで構築された人工空間において,災害状況を擬似的に再現および体験することが可能となる

図3 VR空間において避難行動を観察している様子
(PCディスプレイでの可視化表示)
図4 VR空間での景観シミュレーション

景観シミュレーションへの適用

 図4は,VR空間において中央大学後楽園キャンパス内の景観シミュレーションを行っている様子である.3次元CADおよびCG技術を用いて対象領域を高精度にモデリングし,構造物のテクスチャに実際の写真を用いることでリアリティを向上させている.観察者はVR技術に基づく立体視により,自由に動き回りながら実スケールでの景観の把握および変更に伴う景観の評価・検討を行うことが可能である.

図5 VR空間での複雑自然地形の可視化

複雑自然地形への適用

 図5は,VR空間において海岸付近における海底地形の形状を観察している様子である.航空レーザースキャナー測量により2m間隔で測点を取得し,その点群から3次元形状を作成している.VRに基づく立体視による可視化を行うことで,巨大スケールで奥行きの状況を正確に把握することができるため,観察困難な海底地形の詳細な形状および斜面の勾配などを正確に把握することができる.

図6 VR空間で道路交通騒音を視覚・聴覚情報として体感している様子

道路交通騒音シミュレーションへの適用

 図6は,VR空間において,道路交通騒音のシミュレーション結果を体感している様子である.日本音響学会が作成した道路交通騒音評価式ASJ-RTN Model2008を用いてシミュレーションを行い、7.1chのスピーカーから計算結果に対応した走行音を,3次元CGソフトを用いて作成した移動する自動車のCGアニメーションと,計算条件に対応した道路周辺環境CGとともに提示する.また道路交通騒音の音圧レベルの等値面を描く機能も有しており,観察者は視覚・聴覚の2感覚器官から,道路交通騒音のシミュレーション結果の評価・検討が可能である.

図7 VR空間で3次元数値シミュレーションを対話的に可視化している様子

シミュレーション結果の対話的な可視化への適用

 図7は,VR空間において,大規模な3次元数値シミュレーション結果を対話的に可視化している様子である.このシステムでは,観察者がコントローラを操作することによって表示位置・可視化機能を指定し,非構造格子に基づくシミュレーション結果を対話的に可視化できるため,局所的な可視化が可能である.可視化機能については,ベクトル場においては流線・渦領域・矢印による流れ場・粒子挙動による全体及び局所領域・力線・数値データの可視化が可能である.

図8 VR空間で3次元メッシュ修正システムを使用している様子

3次元メッシュ修正システムへの適用

 図8は,VR空間において,3次元メッシュ修正システムを使用している様子である.このシステムは,VR空間に3次元メッシュを立体視表示させ,観察者がコントローラを用いてボタン操作をすることにより,メッシュの修正・確認を行うものである.このシステムを用いることで,2次元のディスプレイ上では確認・修正が困難である,3次元メッシュを効率的かつ対話的に修正をすることができる









受賞

第13回計算工学講演会
グラフィックスアワード特別賞


高田知学 ・ 樫山和男

「都市域の大気環境シミュレーションにおけるプリ・ポストプロセッシングへのVR技術の応用」









第33回情報利用技術シンポジウム
優秀講演賞


田近伸二 ・ 高田知学 ・ 樫山和男

「VR空間における都市型水害シミュレーションの可視化に関する研究」









第23回数値流体力学シンポジウム
ベストCFDグラフィックス・アワード 第3位


山崎輔 ・ 樫山和男 ・ 陰山聡 ・ 大野暢亮

「VR技術を用いた非構造格子に基づく対話的可視化システムの構築」
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